築30年の一軒家である我が家において、冬の寒さ対策および光熱費削減のため、断熱リフォームをDIYで行いました。この中で最大の難敵となったのは、ルーバー窓(ジャロジー窓)でした。
下の写真ようにハンドルを回して板状のガラスが回転する形で空気を取り込む窓です。
この窓は、気密性も低く冷気を通しやすいですし、もちろんシングルガラスなので総合的に断熱性能が悪いのですが、30年前は流行ったようで家中にこの窓があります。内窓を設置できれば解決なのですが、このハンドルが邪魔になって内窓設置スペースが確保できません。
寒さ対策にはこのルーバー窓をどう断熱化するかが鍵になったのですが、今回上手いこと内窓を設置する方法を編み出したので公開します。
なお内窓DIYの全体像については前回の以下の記事でまとめました。
業者に頼むと、ふかし枠の設置を求められる
今回の断熱リフォームにあたってはまずは専門業者に見積を取りました。金額的な部分は上記の前回記事をご覧頂きたいのですが、ルーバー窓の内窓設置は、「可能」としつつも、ハンドルと干渉しない位置まで内窓を手前に張り出させることを求められました。
ふかし枠のイメージは以下のリンク先のトップ画像でわかります。
これはちょっと見栄え的に許容できないというのが私の感覚で、ならば自分でやるしか無いということで模索が始まりました。
窓の開閉の頻度が低ければ可能なルーバー窓への内窓設置
改めてルーバー窓を見てみましょう。
方法①:完全撤去
内窓の設置を阻むのは言うまでもなくこのハンドルの存在なのですが、このハンドル自体を外してしまうというのが一つの方法です。以下のように外してしまえば内窓設置のスペースができます。
しかしこの状態ではもうルーバー窓の開閉ができません!開けっ放しの状態で外してしまい、窓としての機能を期待しないというやり方もあるかと思います。
基本的に内窓は、外窓として使うことはできないとされており、直接雨風にさらされる使用方法は想定されていません。ただ、ルーバーも前回にするわけではなく、斜めに雨が中に入らない角度で開けた状態にすれば使用に耐えうるのではないかとも思います。
とはいえ、やはり開閉できなくなるのは不便で、後戻りもできないため、この方法は止めました。
方法②:ハンドルを撤去
ハンドルはねじ一個で固定されているため、ねじを外しハンドルを外すと以下のようにでっぱりが大幅に減ります。
ハンドルを外した状態で内窓を設置することで、ふかし枠の必要幅も減らすことができます。
この場合ハンドルは内窓との間に外して置いておき、窓を開閉する際にのみハンドルを使用すれば問題ありません。ねじで毎回固定する必要もなく、ねじは外した状態で問題ありません。
方法③:金具をずらす
前回の記事で触れましたが、内窓には大きく4つのタイプがあり、それぞれで取り付け幅、内窓設置に必要な奥行きが変わります。メーカーごとにも差があり、まとめると以下のようになっています。
インプラス | プラマード | |
引違い | 70 | 73 |
内開き | 55 | 73 |
FIX | 55 | 53 |
テラスドア | 55 | 73 |
今回スペースが限られるルーバー窓への内窓設置を試みますので、内開きかFIXが選択肢になります。FIXは開閉が面倒ですので、実質的には「インプラスの内開き」です。
ハンドルを外した状態でも、先程の写真のように、ハンドルを固定するための部分が出っ張りがあり、この部分が当たらないように手前に内窓を設置しなければなりませんし、開閉時にはここにハンドルをつけるため、ハンドルがつけられるだけの余裕も必要です。なんとかできないものでしょうか。
断面図を見るとヒントが見えてきます。下図で示したオレンジの部分が内窓を支える枠の部分になります。水色の部分が内窓本体です。窓本体の室外側には、18mmのスペースがあることがわかりますので、この部分にハンドル固定部を逃せると更に内窓設置スペースを稼げそうです。
下図のように金具部分を少し左にずらせれば、ハンドル固定のための出っ張り部分がちょうど空いたスペースに入り、かつ常時外してあるハンドルを窓の開け閉めのタイミングだけ取り付けることもできそうです。
施工の様子
使用した材料、施工工程は以下の動画をご覧ください。ジャロジーの金具と内窓の枠の干渉する部分を回避するために、金具を使ってハンドルを少し左(窓の内側)にずらすという方法です。
完成形、内窓スッキリ
こちらはインプラス開き窓を使ってジャロジーの窓に内窓を施工したケースです。このように閉めるとぴったりハマっていて、金具も目立ちません。開けてハンドルを回すことで外気を取り入れることもできます。ただし、我が家のケースでは網戸が設置できないという難点があります。
さて、今回は内窓の施工が難しいジャロジー窓において、どうしたら設置できるか?ということを独自の方法で解説しました。工務店に頼むと、もれなく手前に張り出す施工方法を提案されるので注意が必要です。ぜひトライしてみてください。
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