キッチン各設備検討、「ワークトップ・シンクの水栓」編。
一体何を選ぶ余地があるのか、と思うかもしれません。確かにメーカーも少なく選択肢は多くありません。しかし、最もよく使う水場の利便性にダイレクトに影響があるので、しっかり取り上げていきたいと思います。
水栓の選び方
センサー付きがおすすめ
今回強調したいのが、センサー付きの「タッチレス水栓」が非常に便利なので強くおすすめしたい!ということです。シンクに設置する水栓は、同一メーカー内でも機能により細かく別れています。この中でどれを採用するかがポイントになります。
私が重視した機能は、以下の3つです。
- センサー吐水:お肉触った手などで触らずに水を出せる。出しっぱなし(タッチレススイッチ)と手を前に出したときだけ出る(自動センサー)を両方持っているのは最上位機種だけでした。
- ホース引き出し:シンクの掃除に大切。
- 浄水器:こちら後述します。
以下実際の使用動画ですが、かざすと自動で水が出てくるというのはかなり便利でした。衛生的でもありますし、節水にもなります。
さっと水を出したいときは自動センサーを使いますし、水をためたいときはタッチレススイッチを使いますので両方必要です。つまり最上位モデルがおすすめです。
浄水器は経済的なのか?
今回浄水器付きを採用したのはコスト面でお得だと考えたからです。LIXILのカタログには以下のような記載があり、リットル2円と相対的に安いことがわかります。
この計算は「カートリッジの定価÷寿命+上下水道料金」という数式で計算しているようなのですが、妥当性を検証したいと思います。
カートリッジ交換コスト
私が選んだA10タイプの水栓の場合、「JF-45N」という型番のカートリッジになります。定価18,000円(税抜)と中々のお値段です。
そして気になる交換頻度ですが、使用期限の12ヶ月もしくは10,000Lに達した場合、という記載が取扱説明書にございます。
https://iinavi.inax.lixil.co.jp/pdf/torikousetsu/gms-1884-15020.pdf10,000L…というと一体どんな量なのでしょうか?ピンときませんね。
1日1人2L飲み水・料理に使用するお水として浄水を使用したとしても、年間730Lです。4人家族でも10,000L使い切るのはかなり難しそうな気がします。そして上述の「2円/L」という数値は、10,000Lで計算した場合の数値であることがわかります。(18,000×1.1(税金)/10,000L+水道代=約2円)
これはちょっと安く見積もり過ぎなのではないでしょうか。ここでは1日2Lと仮定し、現実感持たせるため、2人家族で計算してみたいと思います。
水栓本体の減価償却費
浄水器付きの水栓は高価なため、これを導入するための本体費用は浄水のコストに上乗せするのがフェアだと考えられます。
今回は、浄水器ありのA10モデルと浄水器なしのA9モデルの差分を浄水器分のコストとみなして費用に加算したいと思います。22/2/12時点でのAmazonでの費用をベースに計算しますと、
- A10モデル:JF-NA411S(JW):105,111
- A9モデル:SF-NA491S:83,333
差分は21,778円ということで、これを15年で償却することにします(耐用年数表を見ると、その他のものは金属製15年、それ以外8年となっていたためこれを利用)。年間償却費用は1,452円となります。
Lあたりの浄水費用
- カートリッジ「JF-45N」の調達コスト見直し:Amazonで13,000円
- 水栓本体の減価償却費:1,452円
- 年間消費浄水量:2L/日/人 × 365日 × 2人 = 1460L
- 上下水道代:自宅で発見した料金明細を見ると、29m3・6,615円、19m3・4014円という内容でしたので、ここから算出すると、いずれも0.2円/L
カートリッジ価格 (13000+1452) ÷ 1460L + 0.2円/L = 10.1円/L
ペットボトルでミネラルウォーターを購入した場合
Amazonで2Lペットボトルのミネラルウォーターで最安が1本あたり110円でした。つまり55円/lです。
加えてペットボトルのゴミが発生すること、置き場所が必要なこと、なくなれば発注が必要なことと、価格面以外にも浄水器に比べてデメリットは多く存在します。
ウォーターサーバーの費用
ウォーターサーバーはサーバーレンタル料はかからず、水代を毎月支払っていくというシステムが多いようです。気になる水代はメーカーにより異なるものの、100-160円/Lほどのようです。
ペットボトルと比べるとゴミも出ないですが、ウォーターサーバーの置き場所が必要なことと、ランニングコストの高さは3者の中では高いということがわかります。
さて以上比較しますと、約10円が浄水器を使った場合の現実的なランニングコストだということが見えてきました。LIXILの計算はだいぶ盛っているなと正直思いますが、保守的に見積もってもペットボトルを買ったり、ウォーターサーバーを設置するよりは遥かに安いですし、ゴミもでません。ウォーターサーバーの価格も調べるとリットル100円は下回らないようで、場所も取りませんので、やはり浄水器は非常に良いと思いました。
交換頻度も1年ということで手間もかかりません。
取り付けが可能か確認
水栓の取り付けは、あまり難しいことはありません。ワークトップに水栓の管が通る穴が所定の径で空いていれば大丈夫です。今回は私はLIXILのシステムキッチンを採用しているわけですが、LIXILの水栓を採用しておけば間違いはないだろうということで工務店と確認し、LIXILの水栓を採用しています。
他のシステムキッチンに組み込む場合、他のメーカーの水栓を組み込む場合は、穴径を確認するようにしましょう。私が購入した水栓は、施工図面にφ37±2mmという記載がありました。
メーカー比較
センサー付、浄水器付という条件で他のメーカーがどんな水栓を出しているか確認しておきます。機能面が充実しているものとしては、上述のLIXIL・ナビッシュか次に載せるパナソニックの二択かなという感じです。
パナソニック
タッチレスセンサー付き、浄水器付きのモデルがございます。
シャワーヘッドもついており、お値段もLIXILと変わらないです。
このあたりの選択は好みになりそうですね。私はLIXILのデザインの方が好きです。
微妙にタッチレスでの挙動の違いはありますが、このあたりは双方触ってみて好みに合うほうが良いかと思います。機能面では双方優秀です。
KVK
LIXILやパナソニックのように、センサーの多様性はないですが、かざすと吐水、もう一度かざすと止水という機能を有する水栓のラインナップがございます。
ただデザインがスッキリしているラインナップの印象です。そして以下のようなL字のデザインは、LIXILやパナソニックにはないものです。
調達先の検討
敢えてLIXILからシステムキッチンキッチンと一緒に買わなかったのは、他の設備同様、定価よりだいぶ安く自力調達が可能だったからです。
採用したA10モデルは、定価15.9万(税込17.5万)ですが、ECサイトで見ると9万円ほどです。よってこちらも自力調達といたしました。
ECサイトで買うときの注意
購入の際は、価格コム等で無邪気に最安値のECサイトで買うのは少しリスクがあると思います。以下の部分は確認しておいたほうがいいと思います。
- 工務店が自力調達したものを組み込んでくれるか:私は事前に確認したところOKでしたが、念の為確認した方が良いです。工務店側から見ると、売上が減ることになるからです。
- 保証の有無:システムキッチンに組み込んだ形で購入すると、長期保証がついている場合があります。こういった保証が必要だと考える場合はその部分の金額を考慮して判断する必要があります。ものによりますが、1−2年はメーカー保証があるため、これで十分ではないかと私は判断しています。
- 初期不良の対応:初期不良の対応は、製品到着後7日程度のものが多かったです。そのため、工事日より早く調達しすぎると、初期不良があったときに対応してもらえなくなります。工事工程を確認しながら、初期不良が確認できる日の数日前に到着するよう発注する必要があります。最安ではないかもしれませんが、到着日を指定して購入できるECサイトもございました。昨今では、在庫があれば発注後速やかに数日で到着しますのであまり焦って発注しなくても良いということだと思います。システムキッチンの納入日が決まってからの発注で良いでしょう。
実際に発注するときは、価格コムので価格の最安ラインを見ながら、ポイント還元率の高い楽天で、到着日指定ができる店舗で購入しました。0,5がつく日はポイントアップするのでここを狙って購入です。
楽天といっても多数店舗があるわけですが、1週間以内の初期不良対応と到着日指定が可能なことから「住の森」を僕は使いました。
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