キッチン各設備検討、「レンジフード」編。
我が家のキッチン設備の一番の問題は、古くなって騒音が大きいレンジフードでした。レンジフードは、OEMが多く、一見メーカーが多そうに見えて実は同じメーカーの製品が別の名前で出ているというケースが多くあります。そのため、元をたどるとほとんど同じということが少なくありません。このあたりが他の設備と異なる特徴です。そんなレンジフードとはどんな選び方の注意点があるのか、掘り下げていきます。
OEMが多いメーカー構造
レンジフードはシステムキッチンメーカーが各社自社製品として出しているように見えます。しかし、よくよく見ていくと、富士工業とパナソニックの2社がメインです。
- リクシル:富士工業OEM
- クリナップ:パナソニックOEM、富士工業OEM
- パナソニック:自社製品
- タカラスタンダード:自社製品
各システムキッチンメーカーで全然違う機種名でラインナップを持っているのですが、実は元をたどると同じメーカーでほとんど同じ製品だった、ということなのです。そのため意外と選択肢は多くありません。
各メーカーの最上位機種のレンジフードとは
では製造元のメーカー毎にレンジフードの特徴を見ていきます。
ホーローで食洗機対応のタカラスタンダード
上の二社には含まれないのがタカラスタンダード。タカラスタンダードはキッチン全般としてホーローがウリなのですが、レンジフードもホーローが特徴になっています。
レンジフードはフィルターや油受けが汚れていくわけですが、洗うのは嫌ですよね。食洗機で洗ってしまいたいと思うのですが、意外と食洗機対応のものがないのです。
そんな中で、ホーローのタカラスタンダードはほとんどのパーツが食洗機対応という嬉しい特徴があります!基本的に大きな食洗機を導入して何でも食洗機で洗ってしまう、という考え方なので、タカラスタンダードの食洗機が筆頭候補にきました。
しかしこちら、基本的にはタカラスタンダード製のシステムキッチンに組み込むことが前提になっております。そのためシステムキッチンに組み込もうとすると自力調達が必要になります。
ECサイトで調べてみると単品でも入手は可能のようです。VAREという最上位モデルも楽天で取り扱いをしているお店が数店舗ございました。
デザインもすっきりしており、見た目も美しく個人的にはこれを採用したかったのですが、サイズ(高さと奥行き)が上手く合わず断念しました。
最大手の富士工業
他の設備では名前を聞かない富士工業ですが、シェアがトップでOEMとして自社名を出さずに採用されていることが多いです。私が選んだシステムキッチン・リクシルも富士工業製が採用されています。
家電量販店へ行ってもよく置かれているのは富士工業製です。
以下のように各社で違う型番で取り扱われているのですが、中身はほとんど同じです(微妙に変えていたりもしますが)
富士工業製の上位モデルの特徴は「オイルスマッシャー」、高速回転するファンが油を遠心力で周りに飛ばし、油受けで回収するというものです。
ただ気になるのは一定数見かける「うるさい」という口コミ。確かに小さな穴の空いたファンを高速回転させるため、騒音が発生しやすい状況であることは想像がつきます。コンロならびにレンジフードから壁一枚挟んだところに書斎を設ける計画なため、騒音は気になるところです。
富士工業のレンジフードは、下位モデルの機種はあまり特徴がなく、特筆することがありませんが、最大手の製品のため、無難な選択肢ではあります。
選択肢豊富なパナソニック
ほっとくリーンフード:パナキッチンでのみ採用可能
パナソニックの最上位モデル「ほっとくリーンフード」は驚異のファンが10年間おそうじ不要という売り文句、年に一度洗うプレートは食洗機で洗えるということでかなり魅力的な商品です。
しかしこちらパナソニックのシステムキッチン専用品ということで、単品販売は行っていないため、システムキッチン自体をパナソニックにする必要があります。レンジフードのためにシステムキッチンを決めるという方は中々いらっしゃらない気がしますが、システムキッチン検討段階であれば、パナソニックのシステムキッチンも検討に入れると良いかもしれません。
あらエールレンジフード:お湯で自動洗浄
単品購入ができる上位モデルは、お湯を入れてレンジフード内で洗うというのが特徴の機種です。
クリナップのOEMとしてもこちらは採用されています。ここは好みの分かれるところだと思いますが、個人的にはお湯を入れるという作業は面倒なのであまり魅力を感じませんでした。
必要最低限→組み込み向きのモデル
上の洗えるシリーズと並び、洗える機能が落ちた、DEシリーズというワンタッチで取り外しできる、大きな特徴はないもののメンテンナスしやすそうなモデルがあります。
ここまで挙げてきたレンジフードが軒並み10万円を超える価格帯なのですが、実はこのモデルは7万円を切る価格帯でECサイトで売られていてお買い得感があります。
こちらは幕板がついていない、つまりレンジフード本体のみのミニマムパックなのです。システムキッチンへ組み込む場合は、幕板等は不要もしくは、必要な部品を買い足す方が無駄がなくコストパフォマンスの良いため、自分で調達して組み込んで置く場合は有力な選択肢になります。
なお、メーカー問い合わせたところ、食洗機に対応しているわけではない、という回答だったのが残念です。
取り付けが可能か確認
幅と排気ダクト
ここまで各社のレンジフードの特徴を見てきましたが、どれでも自由に取り付けができるわけではなります。1つ目のポイントは「幅」です。こちらは主に、「60」「75」「90」3つの幅がございます。これはキッチン側で決めた幅に合うものを採用すればよいだけのことではあるのですが、間違えないように選ぶ必要はございます。
なお、私の場合は、90cmを選択しています。幅広の方がよりコンロを覆う形になるため、周囲が汚れないとの判断と、バランスとしてもちょうどコンロがレンジフードのセンターに来るように配置できるため、見た目が美しいです。
あとは取り付けが可能かということを施工図面で確認していきます。まずは高さが合うかというところなのですが、これはシステムキッチン側の吊戸棚の高さと合わせられるか、ということを意味します。素直にシステムキッチンメーカーのレンジフードを採用していたらいらぬ心配ではあるのですが、自分で選ぶ場合はここが合わないと吊戸棚と段差ができてしまって不格好です。
筆頭候補にしていたタカラスタンダードのモデルは640と700というモデルしかなく、吊戸棚の高さが600だった私には採用ができませんでした。今考えると、吊戸棚を下げても良かったかなと思います。
この点採用したパナソニックのVEシリーズはそもそも幕板などついていない本体のみの販売なので高さの調整の幅が効きやすいです。
幕板
幕板はレンジフードの前に付く板で、化粧板とも言われるものなのですが、システムキッチンのデザインに合わせた方がやはり美しくまとまります。レンジフードを単品購入すると、レンジフードの色の化粧板またはステンレスといった形になりますが、やはりシステムキッチンに合わせたいところです。
こうなると、システムキッチン側で幕板の手配をレンジフードを手配せずにしてもらう必要があります。これはきちんと伝えないと漏れるので注意が必要です。
ガスコンロとの連動
最近のレンジフードは、ガスコンロと連動し、ガスコンロを点火すると自動でスイッチが入ります。そして料理が終わり、役割を果たすと自動で切れます。大変便利なのですが、これがきっちり機能するためには双方の通信規格が一致している必要があります。
現在以下3つの規格があり、メーカーによって変わってくるのですが、レンジフード・ガスコンロそれぞれのフォーマットが一致しているかを確認する必要があります。
- NECフォーマットA (富士工業, 渡辺製作所など)
- NECフォーマットB (東芝キャリア製など)
- 家製協フォーマット (パナソニック製など)
リンナイ製のコンロには、施工説明書に上記の記載があり、NEC/家製協双方対応となっていました。上述のようにレンジフード側はメーカーによって規格が分かれるので、コンロ側をすべて対応したものを選んでおく必要があります。
調達先の検討
さて最後にどこで買うかですが、ガスコンロと比較すると、上位モデルは価格コムでの値段と、システムキッチンメーカー経由で購入する場合とで値段があまり変わらないようでした。
ただし、僕が採用したDEシリーズはAmazonはじめECサイトで買うと7万円を切っており、定価20万超えの商品ですが、お得感があります。
断念したタカラスタンダードのホーローレンジフードは、ほとんど単品売りは扱われておらず、楽天の数店舗と購入先は限られてきます。
このように選んだ機種によって調達の選択肢がかなり変わるのがレンジフードなので、機種を選んでから、取りうる選択肢の中から最良のものを選ぶと良いかと思います。
ECサイトで買うときの注意
私が選定したパナソニック・FY-90DED3は、価格コム最安は65,000ほどなのですが、無邪気に最安値のECサイトで買うのは少しリスクがあると思います。以下の部分は確認しておいたほうがいいと思います。
- 工務店が自力調達したものを組み込んでくれるか:私は事前に確認したところOKでしたが、念の為確認した方が良いです。工務店側から見ると、売上が減ることになるからです。
- 保証の有無:システムキッチンに組み込んだ形で購入すると、長期保証がついている場合があります。こういった保証が必要だと考える場合はその部分の金額を考慮して判断する必要があります。ものによりますが、1−2年はメーカー保証があるため、これで十分ではないかと私は判断しています。
- 初期不良の対応:初期不良の対応は、製品到着後7日程度のものが多かったです。そのため、工事日より早く調達しすぎると、初期不良があったときに対応してもらえなくなります。工事工程を確認しながら、初期不良が確認できる日の数日前に到着するよう発注する必要があります。最安ではないかもしれませんが、到着日を指定して購入できるECサイトもございました。昨今では、在庫があれば発注後速やかに数日で到着しますのであまり焦って発注しなくても良いということだと思います。システムキッチンの納入日が決まってからの発注で良いでしょう。
- ガス種の選択に注意:ガスコンロは、都市ガスかプロパンガスかによって型番が異なるため、誤って選択しないよう注意しましょう。値段の違いはほとんどありません。
実際に発注するときは、価格コムので価格の最安ラインを見ながら、ポイント還元率の高い楽天で、到着日指定ができる店舗で購入しました。0,5がつく日はポイントアップするのでここを狙って購入です。
楽天といっても多数店舗があるわけですが、1週間以内の初期不良対応と到着日指定が可能なことから「住の森」を僕は使いました。
上記にご注意頂きながら、ご自身にとって最適なレンジフードとは何かを理解し、お得に購入していただけたらと思います!
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