リフォーム、内容にはよるものの、特に一戸建てとなると数百万という規模でお金がかかってきます。1%でも費用を下げられれば、万円オーダーで出費にインパクトがあるわけです。そのためリフォーム費用を如何に下げるかということは重要です。
しかしながら闇雲に値下げを要求しても工務店に聞いてもらうことはできません。彼らも商売ですので、効果的・合理的なアプローチが必要になってきます。
私の場合は、とりあえず近くにあった大手の工務店さんに話をしてみるところから始まったのですが、コストを適正水準まで下げる上で必要な方法を「相見積もりのとり方」「原価構造」の順で解説していきます!
相見積もりのとり方:工務店比較サイトの活用
工務店の比較でおすすめなのが、「ホームプロ」です。自宅の所在地と希望するリフォーム内容を入力すると、近くの登録している工務店から引き合いがきます。私は今回リクシルのキッチンを採用しようと思っていたので、リクシルが運営している「リフォームコンタクト」というサービスも併用しました。
双方ともに、仕組みは情報を入力すると、近場の工務店から連絡が来るというものです。両方使ってみて、より優れていると思ったのは「ホームプロ」です。口コミの件数が多く中身も細かいですし、単語から口コミの検索もできます。いくつもの工務店から引き合いが来たときに、比較するには口コミが最も参考になります。口コミを見ているとおおよそその工務店の良し悪しがわかってきます。
私の場合は、近くの工務店と話をしていておおよそ内容と金額感が詰まってきた、という段階で、さてこの金額は適正なのか?というのを確かめるために相見積もりをとろうと上のサービスを使いました。
リフォーム工事におけるコスト構造
今回私はキッチンのリフォームを行いましたので、キッチンを例にコスト構造を書いていきます。今回は国内のシステムキッチンメーカー(リクシル・クリナップ・タカラスタンダードなど)を採用するケースを例に上げます。これ以外の選択肢としては、オーダーメードで作る、海外メーカー品を導入する、といった方法があるでしょう。
コストは大きくシステムキッチンの価格と工務店の工事費に分けられます。システムキッチンの定価は細かく積み上げで決まってくるものなので、採用するパーツによって変動します。
工事費は工務店次第なのですが、安ければいいというものでもなく、かつ詳細な見積もりを取らないとわからないので、一旦脇においておきます。最初に工務店をスクリーニングするときに大事なのは、「システムキッチンの定価からの割引率」と「販売管理費の割合」です。
この部分は工務店により差がでます。システムキッチンの定価はお高いですが、どこの工務店も定価から割引をして販売しています。この割引率が高い工務店を採用することがまず大事です。また、システムキッチンの価格と工事費以外にも、別途販売管理費が発生します。これがどういった計算で上乗せされているのかがポイントです。多くのケースは税抜合計金額に対して何%と割合で計上しています。
今回はキッチンを取り上げましたが、トイレであれ何であれ、基本的に工務店が仕入れるものの金額と工事ひという構成は変わりません。この構造を理解した上で、どの部分を削減ターゲットとするか見極めることが重要です。
値下げのポイント
最初に話した工務店では、出てきた見積もりで、キッチンの割引率が30%、販売管理費の割合が15%でした。直感的に思ったのは、「販売管理費15%は高すぎるのではないか?」ということでした。業界スタンダードがわからないものの、ここに疑義があったため相見積もりを取りました。10社ほどに伺ったところ、上位半分でキッチンの割引率が30~40%、販売管理費の割合は3~8%くらいでした。相見積もりで見るべきは、この2つの割合です。
ちなみに、先の「ホームプロ」などで見積もり依頼をするとき、以下のような質問を等しく投げていました。工事費は物件を見ないことには算出できませんが、割合は答えられます。
「リクシル、リシェルで◯万円くらいのキッチンを導入したいと考えているのですが、キッチンの割引率と、工事費含めた全体にかかる販売管理費の割合をご教示頂けますか?」
さて、実際に相見積もりをとってみると、最初の工務店の販売管理費は高い、ということがわかります。理由もなく力技で値下げを要求しても効果はありませんが、以下のように伝えると検討せざるを得ません。
「他の工務店さんの見積もりを取るとキッチンの割引率の部分は同じくらいなのですが、販売管理費の部分は割高に感じます。厳しいお願いかもしれませんが、5%まで頑張って頂けないでしょうか。〇〇さん(ご担当者)のここまでのご対応には大変すばらしくできれば御社に発注させて頂きたいのですが、大きな買い物ですので、簡単にここの金額を妥協できません。逆にここが握れれば、正式に他社への相見積もりはせず御社にお願いさせて頂こうと思っています。」
交渉に大切な”時期”
上記の交渉を経て、見事要望通り販売管理費は5%まで、そしてシステムキッチンの割引率は34%まで下げてもらえました。これには感謝しかありません。
これを最大限後押ししてくれたのが、「決算期」です。会社によって異なりますが、多くの会社では決算期は3月です。会社として当期の売上を上げたいという事情があるため最大限値引きに応じてくれます。「3月末までに発注を頂ければ、この金額で可能です」といった応じ方をしやすいのが決算期なのです。
その上で、「どこまでがんばれますか?」というような言い方ではなく、「ここまで下げて頂ければ御社に依頼させていただきます」と明確に伝えましょう。これであれば相手の営業担当者も、「ここまで下げれば発注頂けます」と自信を持って上申できるからです。
一生に何度もない大きな買い物ですので、上記のような合理的なテクニックを駆使して、納得のいく見積もりを獲得して頂けたらと思います。
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